中小企業診断士と景気後退下の経営

中小企業診断士は、厳しい経済情勢、不況業種のなかで困難に立ち向かう中小企業などの経営の支援を行います。長らく景気は緩やかな回復基調といわれてきましたが、アメリカのサブプライム問題を反映して、我が国では上場する不動産関連会社が相次いで倒産するなど、一部業界では一段と景気の状況が厳しくなっています。特に建設業では、公共工事減少や資材高騰、不動産市況悪化などによって、企業の経営状態が悪化しているといいます。こうしたなか、国や自治体が中小企業診断士や弁護士、公認会計士らで構成する中小建設業向けの経営支援チームを創設して、建設会社の経営相談にあたることを検討しています。

中小企業診断士の守備範囲はとても広く建設業も対象に含まれます。建設会社が建設業を中心に事業を継続するのが理想ですが、最近では中小企業診断士が把握している事例として、建設会社のノウハウや機材を活かして農業分野に進出するなど、新しい展開をアドバイスする例も増えてきました。中小企業診断士は、弁護士、行政書士、公認会計士などの役割も心得ており、それぞれの専門的な技術や知識を最大限に活かしたコーディネートを担当できる立場にあります。また、建設業に多くのクライアントをもつ中小企業診断士もいます。そうした専門的な中小企業診断士の協力を得れば、かなり心強い支援内容になるでしょう。

中小企業診断士を含めた中小建設業向けの経営支援チームでは、全国の建設業者から相談を受ける窓口を設け、要望に応じてチームを派遣し、状況を打開する経営のアドバイスを行います。このチームの中心となるのは、中小企業診断士である可能性が高く、派遣の必要がある場合も、最初に中小企業診断士が派遣され、全体的な状況を把握してから、各専門家が対応するというケースが多くなる見込みです。もちろん、財務上の問題を抱えているケースなどは、公認会計士が対応することもあるでしょう。事業内容の変更では、中小企業診断士が細かく先進事例などにもとづいて注意点を説明し、後に行政書士などを紹介して、定款変更の手続きをします。

中小企業診断士は建設業分野では、各地の地方整備局や建設業協会などを拠点にした相談事業にも協力しており、経営診断や事業計画策定の助言を行ってきました。しかし、建設業を取り巻く環境は厳しく、連鎖倒産の危機にみまわれる建設会社も増えるなかで、債権の確実な回収などが必要になってきました。

中小企業診断士が不況業種を中心に、様々な打開策をもって対応するケースが増えており、債権回収なども中小企業診断士が直接関与することはないものの、プロセスを熟知している中小企業診断士が増えてきたため、相談者に安心感を与えるコンサルティングができるようになっています。